人生を豊かにする「時間」という視点『DIE WITH ZERO 書評』

心理学

先日、妻に紹介されて一冊本を読みました。
その本がDIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス 著)です。

大切な気づきに満ちた良書です。なのでここで紹介させていただきますね!

一言でいうと『富ではなく、人生の質を最大化する方法』について書かれています。
この本では、『人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。』と言います。

つまり、富の最大化ではなく、思い出・ポジティブな経験の最大化、こそが人生を豊かにする秘訣という事です。

自分がそうだったのですが、豊かな人生を歩むために、十分なお金を稼ぎ、お金を貯めて不測の事態に備える、と考えがちでした。

でも、お金って豊かになるための一要素でしかなくて、本当に大事なのはお金を稼いだ先にある、人生を豊かにするアクションそのものですよね。

この本では、死ぬまで大金を持ち続けているんじゃなくて、死ぬまでにちゃんとお金を使ってポジティブな経験をして、最高な思い出をもって死のうぜ!っていう趣旨が語られています。

だから、DIE WITH ZERO→(お金は残さず)ゼロで死ね!
というタイトルなんですね。

動画はこちら↓


 

4つ目の視点『魚の目』とタイムバケット

 

この本の目玉だと感じたのが、タイムバケットというフレームワークです。

これは、残りの人生を10年スパンとか5年スパンで区切って、そこに自分のやりたいことを入れ込んでいくというものです。

ここに、私の向こう30年のタイムバケットを作ってみたので、見てみてください。

人生のやりたいことのリストをつくると、前向きに人生の時間を過ごすことができる
と、よくいわれます。

それ自体とても素晴らしいことですが、やりたいことリストの唯一の落とし穴があります。

それは、「いつやるか?を決めないから後回しになって、結果やらない」という事になりかねないという事です。

ですが、このタイムバケットで、後回しを回避できます。

10年ごとのバケツをつくって、やりたいことが一番最適となる時期のバケツに放り込むことで、今取り組むべきやりたいことが明確になるからです。

例えば、空手の黒帯を取りたい!と思った時、4049歳の10年間でそれをやるのは、OKだけれども、5059歳、6069歳だと体力的に厳しい、ですよね。

リストに時間の概念を加えることで、「いつやるべきか?」が最適化される。
魔法のような手法です。

調べてみると、こうした時間の概念の視点加えることを、「魚の目」で見るというそうです。

思考力を高める3つの視点、鳥の目、虫の目、水平チャンクは以前にこのブログ記事(子どもの習い事どうします?経営者として判断力を高める3つの視点)でお伝えしました。魚の目は更に4つ目の視点と言えます。

魚は水の流れの中で生きています。なので流れを見る目、時間という我々全員が共通して持っている普遍的な流れである「時間の流れ」を見る目を「魚の目」と言います。

鳥の目、虫の目、並行チャンクで、目的からブレず、様々な可能性を考慮して具体的な行動に落としこむことが出来るわけですが、更にそこに「最適な行動の順番」を加えることが出来るのが、この4つめの目、魚の目の良いところでしょう。

このことは、死ぬまでに経験したいことの最適化に活用することはもちろんですが、他にも、タスク管理や人生設計、コーチングやビジネス設計にも役立ちそうですね!

  

死を意識することは手軽で強力なリフレーミング手法

この本で書かれている中で、特に強力だと感じたのが、『あと何年生きる想定か?』という意識を持つことです。

余命というフレーム

例えば、明日死ぬとしたら、あなたは何をするでしょうか?
余命が1週間なら?1年なら?10年なら?50年なら?

それぞれの余命で考えた時、面白いほど想定される行動が変わります。

それは、意識の枠組みが変わるからです。
NLP心理学でいうとフレームが変わると表現し、それをリフレーミングと言います。

あたかも、目の前の日常の光景に絵画の額縁(フレーム)がかけられ「残り1日の奇跡の時間」と記されるように、自身のかけている眼鏡が変わり、目前の風景の意味が全く違うものになるという事です。

(フレームが変わる=リフレーミング)

実際、私自身、余命1日、1週間、1年、10年と試してみました。たった20分程度それぞれのフレームでやりたいことをリスト化するだけで、自分の大切にしていることが明確になっていき、驚きました。

これは私のやってみた感想ですが、短い余命から長い余命という順番でやってみるのが良いです。逆にしてしまうと、最終的な意識が余命1日ですので、可能性が狭まりすぎ、精神衛生上もよろしくない、というのが実感です。

人によって異なる部分もあると思いますが、私の場合は、余命が短いと、とにかく家族との時間、家族への感謝の気持ちが大きくなるようです。そして、余命が長くなると「社会に何か良いものを遺したい」「もっと人と会いたい」「もっと何かを習得したい」という気持ちが大きくなっていきました。

不思議なもので、余命の事を全く考えない状態だと、「ダラダラ漫画が読みたい」とか「あんまり知らない人に会うのは苦手」とか「楽したい」という意識がかなりあるんですが、余命を意識した瞬間に、これが吹き飛びました。

「漫画よりも実体験をもっとしたいなぁ」
「もっといろんな人に会いたい」
「もっといろいろ経験したい」
と。

すごい変化ですよね(笑)

人は、全くの制限のない自由よりも、終わりという制限があるから、より自由にやりたいことを考える事が出来るということを、肌で感じました。

これから、毎朝、「余命1日、1週間、1年、10年のやりたいことリスト」に目を通して、意識を整えることにします。そうすることで、大切なことで満たされた人生を過ごせると思うと、ワクワクしてきました!

 

まとめ_時間を意識することで人生の質が最大化される

今回ご紹介した『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス 著)、名著です。自信をもってお勧めします。

特に、今、お金を稼ぐことに追われて幸せを感じにくい方、ちょっと人生に迷子だなぁという方は絶対読んだ方が良いです。

逆に、とにかく今はお金を稼ぎたい!という方は、稼ぎ方の本ではないのでお勧めしません。

お金は人生を豊かにする要素の一つに過ぎず、『人生で一番大切なのは、素敵な思い出をつくること』です。

そのうえで、時間という枠組みを意識することで、人生の質を最大化することができます

 やりたいことも単にリスト化するだけでなく、10年スパンなどで時間を区切り、時間の流れを意識する目(魚の目)を持つことで、何をいつやるべきか?が明確になります。

また、余命を意識することで、本当にやりたいことが明確になるでしょう。

総じて、時間という枠組みを意識することは、人生を豊かにするために必須だという事が、この本では分かりやすく描かれています。

人生を本当の意味で豊かにしたい方、是非お読みください(^_-)-

『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス 著)

ベビーステップ

・余命1日、1週間、1年、10年という順番でやりたいことをリスト化する。

・そのうえで、日々大切なことを意識して生きる。

 

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