最も重要なことに時間と行動を投資する【第3の習慣】

マーケティング

前回に引き続き、菅智晃さんと7つの習慣について解説していきます。前回は第2の習慣『終わりを思い描くことから始める』について、まず理想のゴールを描き、そこから逆算してビジネスモデルを築いていくことの重要性についてお話ししました。

今回は、第3の習慣からお話していきます!

7つの習慣における第3の習慣は『最優先事項を優先する』ですが、その話の中で一般的に有名なのは、重要度と緊急度のマトリックスではないでしょうか?

多くの方が就職して、会社の新入社員研修で必ずと言ってもよいほど効くのが、『重要度と緊急度のマトリックス』で、その中で第Ⅱ領域『緊急ではないが重要なこと』に時間を使えるようセルフマネジメントしよう!という学びを得ます。

すなわち、『緊急で重要なこと』はすぐに片づけ、『重要ではないこと』は極力仕事から無くし、『緊急ではないが重要なこと』に集中しよう!という志向です。

実のところ、この考えは非常に正しいものと私は思いますが、ややもすると、効率性に偏って本質を見失う恐れがあります。第Ⅱ領域に注力しようとするあまり、人間関係への投資という重大側面を見落とす可能性があるのです。

 

第Ⅱ領域へのセルフマネジメントと『人間関係への投資』

菅さんに限らず、ビジネスに成功する起業家は必ず第Ⅱ領域への行動を優先しています。ある意味で事業を起こすことの本質が、第Ⅱ領域に根差した活動というべきでしょう。ビジネスを始めるということは、長期的な視点で重要な事項に取り組むはずです。

ただ、菅さんが特徴的なのは、第Ⅱ領域の行動マネジメントにおいて『人への投資』を重要な位置づけに置いているということです。

第3の習慣について、非常に重要なことにも関わらず、見落とされがちなのは、『物事は効率性を重視しても、人間関係だけは効率性ではなく効果性を重視しなければならない』という原則です。これは、7つの習慣の著者コヴィー氏が著書の中で再三警告していることでもあります。

本当に重要なことに注力するために物事やタスクの効率化を図ることは大切ですが、人間関係についてはここで効率化を重視してはいけない、ということです。何故なら、人間関係だけは、時間や労力を省いて構築することが難しいからです。

例えば、菅さんはWebマーケティングのコンテンツ販売において、購入者へのサンクスメールを自動返信ではなくて、その相手ごとに手入力でコメントを添えて心を込めて贈ったり、購入してくれたらすぐに電話で直接御礼をする等、合理化と真逆のローテク手法を使います。

これは、お客様との信頼関係を最大化するための投資であり、多くの方が見落としている、超重要な『第Ⅱ領域』と言えます。だってそうですよね、短期的には販売成立しているので、自動返信でも何ら問題ないですが、長期的なベネフィットのためには、販売直後からがコミュニケーションのスタートで、お客さんにとって特別な信頼関係を結んで、今後のリピーターや口コミ発信者になっていただくことが大切です。だから『緊急ではないが重要なこと』です。

菅さんは、この第Ⅱ領域の中でも人間関係構築に関するセンサーの高さが随一に高いマーケッターだと私は思います。それは、例えば第二の習慣の『理想のゴール』の重要な価値基準が『人間関係を大切にする』価値観に置かれているからだと思います。だからぶれないんです。

 

第3の習慣の要『デレゲーション』の達人

そして、もう一つ第3の習慣を語るうえで、大事なキーワードが『デレゲーション』です。第3の習慣は『最優先事項を優先する』ですから、経営者やマネージャーは自身の重要課題に専念するために、他のメンバーに仕事をおろしていかなければなりません。

どうしても、起業家が大きく成長できるか否かの分水嶺がここではないでしょうか?私もネット物販の経験から思いますが、『人に仕事を任せられない』という人は、なかなか次のステップへの飛躍ができず、日々仕事に追われるプレイヤーになってしまいます。

『デレゲーション』は簡単にいうと、この『人に任せる』ということを上手に行うことです。菅さんはこの『デレゲーション』が天才的に上手い、と私は思います。

まず下手な人は、先ほどお話ししたように、そもそも『人に任せられない』か、或いは、『細かくコントロールしようと』してしまいます。極端な言い方をすると『支配したくなる』ということです。

デレゲーションのその目的は、自分が重要な仕事に集中するということですが、中長期的な視点では、デレゲーションを受ける相手、その仕事を通じて成長し、経営者が全く手をかけなくても業務が回るようになっていくことが必要です。さらに理想は、互いが共にシナジーを発揮して豊かなビジネスを構築していくとこまで来たら、本当に素晴らしいことになります。

菅さんはこれがメチャメチャ上手い!なにせ、ビジネスモデルの構築の時点で、パートナーへの事業の『譲渡』を念頭に置いています。例えば、スクールモデルのビジネスなら、お客さんの中で優秀な方を見つけ、その人をビジネスパートナーとして育て、その事業の後継者にして、事業譲渡してしまうんです。これは本当に人を信頼し、育てることができなければ到底できることではありません。

しかも、そうして事業自体をデレゲーションすることで、さらに自分が注力すべき新しいビジネスの構築や、バランスの取れた家族との時間を確保することに繋がっているんです。これほどまでの、第3の習慣の達人はなかなかいないとわたしは思います!

 

まとめ~セルフマネジメントの達人 菅智晃さん

ビジネスを継続し、拡大していくためには、重要事項のために時間と行動を投資することが大切です。そのためには、人間関係への投資を重視し、積極的なビジネスパートナーへのデレゲーションが欠かせないでしょう。

菅さんのこのあたりの達人としての本質は、『何よりも人間関係と人への信頼を重視する』価値観に他ならないと私は思います。『信頼されたいなら、まず自分が相手を信頼しなきゃね!』これは菅さんが、勉強会でさらりとおっしゃった言葉です。本当にこの言葉にすべてが詰まっているといっても過言ではないと思います。

次回は、菅さんと第4の習慣『Win-Winを考える』について解説をしていきます。お楽しみに!

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