答えは自分ではなく、相手が持っている

先日、経営者のコミュニティ『マーチャントクラブ』で出会った経営者の方と心理セッションを行いました。行ったセッションというのは、経営者の方が抱えている心理的な悩みについて、対話を通じて解決していくものです。過去、私がなりわいとしていたNLP心理学を用いた、カウンセリングとか、コーチングみたいなものです。

私も過去にNLP心理学の師匠から学びましたが、カウンセリングやコーチングにおいて、『答えはクライアントが持っている』という姿勢が最も重要な土台となります。先日行ったセッションで改めてそのことを実感しました。そしてこの姿勢は、ビジネス、マーケティング、もっと言うと日常のコミュニケーションでも同じことが言えますので、そのことをシェアします。

 

アドバイスは場合によってはリスク?

日々のコミュニケーションの中で、陥りがちなケースが、『アドバイスをしてしまうこと』です。アドバイスをすること自体はとても大事なことで、状況や立場によっては必須で行わなければなりません。学校の先生やビジネスを教えるインストラクターにとってアドバイスやティーチングは必要不可欠です。

しかし、多くのコミュニケーションのシーンでは、アドバイスや教えることは必ずしも適切ではありません。カウンセリングやコーチングはその最たる例ですし、夫婦や家族の対話、上司部下のコミュニケーション、接客やセールス、マーケティングにおいても、アドバイスや教えることは絶対ではありません。むしろ、時によってはマイナスの効果となってしまうこともあります。

カウンセリングやコーチングにおいての大切なゴールは、クライアント(カウンセリングやコーチングを受ける人)が自発的に問題を解決できる状態にすることです。例えば、『痩せたい、けど痩せられない』というクライアントの悩みに対して、『それは簡単です。食事制限をするとよいですよ』と伝えることは、適切な解決策ではあるものの、適切なアプローチではないですね。

『んなことは知っとるわ!!!(怒)』となるでしょう。

もしゴールが食事制限で痩せる、と言うことなのであれば、本当に必要なのは『食事制限』という行動が自発的にできる状態にする、ということです。そのためには、本人にどんな事だったらできそうか考えてもらったり、今まで食事制限しようと思っていてもできなかった原因を考えてもらったりすることが大切です。

正しい答え、アドバイスが、その人の状況に適切ではない、ということです。その代わりにとても効果を発揮するアプローチが『質問をする』と言うことです。

 

質問とセールスクロージング、マーケティング

相手の中にある答えを顕在化させるのに、質問は最強の効果を発揮します。質問こそが言葉による魔法と言っても良いかもしれません。例えばカウンセリングやコーチングでは、『痩せたい』という悩みに対して、『痩せてどうなりたいですか?』という質問をしたりします。そこで『異性にモテたい』とか『健康になりたい』とか、『家族を安心させたい』とか、より先のゴール(ニーズの先にあるウォンツ)を引き出したりします。

そこで、『モテたい』であれば、痩せて見た目をよくすることも良いかもしれませんし、異性と適切にコミュニケーションをする話術を学ぶのも良いかもしれません。健康ということであれば、適切な運動や、健康的な食事、食事制限でなくてもその人の健康状態に合ったレシピが効果を発揮するかもしれません。家族を安心させたいという場合は、ひょっとすると仕事一辺倒の生活を見直すことが、適切なアプローチな場合もあります。

こうした、本当にその人が求める方向性は『じゃあ食事制限するとよいですよ』とアドバイスしていたら、絶対に見つからない大切なことです。

セールスであれば、ここから、『異性にモテる話術』や『美しく痩せるダイエットプログラム』とかを紹介して、本人にやりたいかどうか確認していけばよいでしょう。

カウンセリングやコーチングであれば、更に方法さえも本人に質問してしまうことも効果的です。

『それではモテるためにあなたはどんなことをすればよいと思いますか?』

『・・・もっと、女性と出会える場に行くことかもしれません』

こうした質問で本人が出してきた答えは、本人にとっても一致感が強く、その取り組みを応援することで、簡単に自発的な行動に繋がることも少なくありません。

一方で、本人が自ら言い出したアクションに二の足を踏む場合もあります。

『そうですか!では合コンに行ったり、マッチングアプリでコミュニケーションを取るのもよさそうですね。それでは今後、女性と出会える場に行くことを増やすことにチャレンジできそうですか?』

・・・いや、それがなかなか一歩踏み出せなくて

と言うようなケース。

そこで、私たちコーチやカウンセラーは、『どうしたら一歩踏み出せそうですか?』とか質問して、その人の行動を押しとどめている要因を確認していきます。

『どうしたら一歩踏み出せそうですか?』

『会話に自信が無くて・・・自信が持てるようになれば』

『では会話することに自信が持てたら、一歩踏み出せそうですか?』

『はい』

という感じです。それで、

会話することに自信を持つには、何をすればよさそうですか?

と聞いたりして、更に必要な行動を確認していくことができます。

お気づきかもしれませんが、カウンセリングやコーチングでは、アドバイスよりも、質問を重視して、本人がやるべきことに気づくことが大切です。このことは、セールスでお客さんの本当に欲しいことを引き出すことにそのまま使えますし、商品やサービスに必要な要素をヒアリングすることにもつながります。

マーケティングであれば、こうしたお客さんがサービスを買うことで、得られる未来を仮定したり、購入を足踏みしてしまう要素を仮定して、メッセージに織り込んでいくことが、大切です。それは、見込み顧客への上記のような質問による、ヒアリングや、実際のセールスクロージングで得たお客さんへの質問と回答をもとに最も効果的なメッセージを作っていくことができるでしょう。

『痩せると健康になれると思っていませんか?その考え方にはあなたが気付いていない重要なメッセージがあります。実は・・・』

ちょっと煽り気味ですが、こんな具合に質問で得たウォンツを活用していくことも可能です。

 

まとめ_答えは自分ではなく、相手が持っている

あなたのコミュニケーションの位置づけによっては、アドバイスは効果的でなく、時に本質を見失うようなリスクがあります。大切なことは、相手に自発的に気付いて貰うことで、そのために『質問』は効果的です。

コーチングやカウンセリングでは、質問によって、相手が本当に求めていること(ウォンツ)を顕在化したり、相手にとって適切な解決策を引き出したりします。そのために大切な姿勢は、『答えは自分ではなく、相手が持っている』というものです。

上手に質問を活用することで、コミュニケーション、セールス、そして応用してマーケティングも効果的にしていきたいですね(^_-)-☆