沈黙にWebマーケティングとWebデザインの本質

マーケティング

先日、マーケティングの学びとして『沈黙のWebマーケティング』(著者:松尾茂起さん)を読みました。Webマーケティングという、触れたことのないひとには、専門的でとっつきにくい内容を、ハードボイルド小説調でストーリー仕立てにして、面白く、そして分かりやすく学ぶことができる名著です。おススメです!

その中でも、とても本質的で心に響いた学びがあったのでシェアします。

 

 

1冊でWebマーケティングの本質と実践手法が学べる

ストーリーは、端的にいうとWebマーケティングが上手くいっていない中小家具メーカー『マツオカ』を、伝説のWebマーケッターである主人公がコンサルティングするというもの。そこに、主人公が因縁のある悪役企業が妨害工作をしたり、主人公の悪役企業への復讐の物語があったり、というハードボイルド要素が加わり、ユニークな作品になっています。

主人公が格好良く必殺技のようなセリフを吐き、PCが熱暴走するというような中二病心をくすぐる描写、そしてその実がGoogleアナリスティックの機能活用だったりといった落差が楽しめる逸品です。

ハードボイルドなストーリーやキャラ立ちするキャラクター設定に目が行きますが、その内容は非常に本質的で、実際は地味だけど大切なことが盛りだくさんという、実用的な指南書となっています。内容をそのまま伝えると専門的で、地味になりがちな分野だからこそ、ハードボイルド小説というリソースを借りて、楽しみながら読めるようにしているところが、著者の愛を感じるポイントですね。

その中で、今回ピックアップしたいのは、Webデザインの本質について。

(以下、ネタばれ注意です)

中小家具メーカーの『マツオカ』は悪役企業の詐欺的な商法や、営業妨害ともいえるアプローチに悩むことになりますが、その『マツオカ』をコンサルティングする主人公(伝説のマーケッター)は、『マツオカ』の専属Webデザイナーに対し、こう問います。

『お前にとってWebデザインとはなんだ?』

専属Webデザイナーは、そこに『アート性』だと答えます。その答えに、主人公は一刀両断『辞めろ。』と言ってしまいます(いや、初対面w)。

Webデザインにおいて、何が大切なのか?それは、

『Webデザインの本質は【言葉】』

 

秀逸なデザインやアートには騙されないWebデザインの本質

自分も勘違いしていたなぁと反省したのですが(作品に出てくるWebデザイナーと同じくへっぽこw)、Webデザインって、サイトのデザインとか、色合いとか、配置とか、素敵な画像とか、そういったアーティスティックな要素が大切だと思っていました

でもそれは、Webデザインの本質ではなく、付属的な、装飾的なもので、本質は【言葉】をどう使うか、だということです。

本質的に考えると、ビジネスにおけるWebデザインは、決して芸術的ではないです。だって、モノ・サービスを売る、買ってもらうという商いですから、デザイン等を通じて感動や情動を起こす芸術とは目的が違います。商いでのWebデザインは、その先にあるモノ・サービスを買ってもらうという目的にフォーカスしていなければいけません

何かを買うとき、私たちはサイトの芸術性で『よし買おう!』と判断するでしょうか?

答えは否です。サイトがアーティスティックでも『綺麗だなぁ』で終わりです。目的には合致してません。営業マンが高級なスーツをきているから、この人から買おう!とはならないのと一緒です。

もちろん、扱う商品がアパレルだったり、顧客層がサイトのデザイン性も重視するようなケースもあるので、アート性を排除してよいというものではありません。しかし、それは決して必要不可欠な本質ではないでしょう。実際、楽天市場とか、サイト的にはごちゃごちゃしてますが、そこで服を買う人も多いと思います。

Webデザインで大切なのは以下のポイントです。

お客さんが知りたい情報を載せる

 

お客さんが商品を買うときに欲しいのは、芸術よりもその商品に関する、『情報』です。

『どんな悩みを解決してくれるのか?』『その商品・サービスでどのような効果が得られるのか?』『どうやったら帰るのか?』『納期はどのくらいなのか?』などなど、扱うサービスや、想定するお客さんの層にもよりますが、数多くのお客さんが知りたい情報があるはずです。まずは考えなければならないのは、そうした情報を載せることができているか?と言うことです。

 

コンテンツを伝えることを重視する

お客さんに届けるべきはお客さんが知りたい情報、つまり『コンテンツ』です。だからこそ、レイアウトの美しさに先にこだわるのは、考え方の順序が逆と言うことです。なので、お客さんが知りたい情報を確認し、そのことを『どうやったら分かりやすく伝えられるか?』そのために、レイアウトや伝え方を考えていくことが大切です。

例えば、お客さんに高齢者の方が多ければ、文字フォントは大きめで分かりやすい方が良いかもしれません。また、今般はスマホでの閲覧も主流となってきているので、スマホ表示に対応したWebページとするのは必要でしょう。

例えば、商品の仕上がりの造形のすばらしさや、実際の現場の雰囲気をお客さんに伝えなければならない場合は、文章だけでなく、画像も用意して伝わりやすくした方が良いでしょう。

例えば、扱う商品が、カウンセリングやコーチングや、或いはボイストレーニングなど、『音』の要素が大切であれば、音声や動画コンテンツを加えた方が良いかもしれません。

あくまで、言葉をベースに準備をしましょう。言葉では伝えきれない部分を補う意味で、そこに画像、音声、動画といった方法を追加してくことが本質的です。

言葉をベースに、伝えなければならない情報をコンテンツとして整理し、最も伝わりやすい方法(文章、写真、動画、音声 など)、そして伝わりやすいレイアウトで伝えていくことが大切ということです。だから、コンテンツを伝えることを重視するのが本質的なのです。

 

まとめ_Webデザインの本質は『言葉』

Webデザインの本質は、芸術性ではなく、『言葉』です。お客さんはあなたの商品を買うにあたって、サイトの美しさを求めているのではなく、購買するために必要な情報を求めているからです。

大切なのは、お客さんが購買のために知りたい情報を伝え、購買につなげていくということです。そして、そのために、お客さんが知りたい情報を言葉で整理して伝え、そのうえで、言葉では伝わりにくい部分を、画像、音声、動画で補足してくことが重要です。

デザイン性やアート性に凝るのではなく、お客さんが安心して購買できるWebデザインを創り上げていきたいですね(^_-)-☆

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