江戸時代から続く『鞘師』に学ぶこれからのビジネスの力

最近、尊敬する経営者の方のオススメで、『致知』という雑誌を購読しています。致知は『人間学』をテーマとした雑誌。いろいろな経営者の方の話を聞けば聞くほど大切なのは『人間力』だと感じ、致知はそれを身に着けるきっかけとするのに良いと判断しました。

そんな、致知の2020年10月号で、『鞘師』の髙山一之さんのインタビュー記事が掲載されており、経営者としてのあり方についての学びがありましたので、シェアします。

最近は『個で稼げる時代』と言われます。これはITをはじめとした環境インフラが整い、個人でもレバレッジを活用してビジネスを創ることが容易になったことが大きな要因です。

ですが、それは個人の専門性を高めれば成功できるという安易なものではありません。『個で稼げる時代』は『個だけで稼げる時代』ではありません。

そんな現代、不思議なことに、江戸時代から代々続く『鞘師』の知恵が、今の経営者に本当に必要な力を教えてくれます。

 

実はコミュニケーションが腕の見せどころ!という職人の世界

『鞘師』は日本刀剣を収める鞘(さや)を作る職人の意味ですが、実際は、日本刀の『拵(こしらえ)』という、外装全体をコーディネートする仕事です。中には刀そのものからコーディネートすることもあるそうです。なので、鞘師だけで完結する仕事ではなく、彫金師や塗師といった、『拵(こしらえ)』にかかわる多くの職人さんと一緒になって仕事を進めていきます。

それで、私が面白いと思ったアンケートのやり取りが下記です。

インタビュアー『様々な職人たちと一つの拵えをつくり上げていく中で、大事にされていることはありますか?

髙山さん『それは皆さんと仲良くなることでしょうね。初対面でいきなりいい仕事をするというのは、なかなか難しい。実際、自分がこうしてほしいと伝えても、出来上がったものを見ると、全然違うということが結構ある。「これ、違うじゃない」って言ったら、相手は「髙山さんの言っている意味が分からなかった」って言うわけです。

ですから、長く付き合って気心が知れてくることで、相手が望んでいるものも分かってくるし、逆に私が伝えたいことも理解してくれるようになる。要するに、大事なのはお互いの呼吸を合わせていくってことです。そうすれば自ずといいものができていきます。』

正直意外でした。私のイメージする職人の世界というと、頑固なおじさんが、クライアントの要望をサクッと聞いたら、あとは職人さんがこだわり抜いた逸品が出来上がる!というものでした(笑)

ですが、実際は職人さん同士で仲良くなって、阿吽(あうん)の呼吸ができる関係を構築することが、最も大切だということです。

 

コーディネート力というチームで成果を出す時代を生き抜くヒント

最近は『個が稼げる時代』になった、或いはこれからなると言われます。これは、ブログやSNS、無料の開発ツールや、出品が容易なECサイトなどのITを中心としたインフラの進歩により、個人でもビジネスの構築が容易になったことが大きな要因だと思います。

ハンドメイドアクセサリーとか制作物はもちろん、趣味・特技、考え方や、ノウハウなどの情報も個人のビジネスにし易くなってきました。

ですが、忘れてはいけないのが、いずれのビジネスにおいても、誰かの協力や支えによって成り立っているということです。

アフィリエイト一つとっても、Googleの検索エンジン、ASPというシステム、商品の製作者といった、様々な関係者の支えによって成り立っています。

Amazon物販も、Amazonのシステム、メーカー、卸売り業者、小売店、物流業者という様々な関係者の支えによって成り立っています。

会社に雇われなくても個人で稼げる時代になったのは確かですが、個だけで稼げる時代になったわけではありません。

なので、本当に継続的にお客さんに満足してもらえる事業を構築するのであれば、鞘師の髙山さんのようなコーディネート力こそがこれからの時代を生き抜く能力になると思います。

ひょっとすると、髙山さんの先祖がビジネスをスタートした、江戸時代は、現代のように専門家がそれぞれ個人で力を発揮する時代だったのかもしれません。それで、鞘師はその中でも『刀剣』をトータルコーディネートする力を持っていたと。

そんな、江戸時代の刀剣職人の世界のように、今のビジネスの世界も、個人レベルの専門家と専門家をつなぐコーディネート力、すなわち髙山さんの『仲良くなること』が経営者として大事なポイントだと感じました。

 

まとめ_江戸時代からの鞘師に学ぶこれからのビジネスの力

現代は『個で稼げる時代』になってきたと言われますが、個人だけで稼げるようになったわけではありません。むしろ、安定的に事業を進めるうえでは、個人、法人含めた専門家同士のつながりを創る力こそが大切です。

江戸時代から続く鞘師の世界。それは、職人という専門家同士をつなぐ、トータルコーディネート力が必須の世界。そんな鞘師の髙山さんは、様々な職人と一緒に一つのゴールを目指すために大切なことは『皆さんと仲良くなること』とおっしゃいます。

これこそが、個人であれ法人であれ、これからの経営者に必要姿勢ではないでしょうか(^_-)-☆