Webビジネスの現場では、どうしても目線がお客さんと売り手のみに絞られがちです。もっとひどいと、売り手だけが私腹を肥やすような、一方しか見ていないビジネスも見られます。Win-Winのようにお客様も売り手も『勝つ』思考は最も大切なことの一つですが、さらに第三者の利益も捉えた『三方良し』について今回は説明します。
三方良しとは『買い手良し』『売り手良し』『世間良し』
三方良しとは、江戸時代から明治にかけて活躍した近江商人が大切にしていた考え方です。『買い手良し』『売り手良し』『世間良し』の3方が全て『良い』となる商売をする、という考え方ですね。通常、お客さんと売り手の2方で考えられがちですが、そこに『世間』という第三者からみての『良い』という商売をしよう!ということがポイントです。
現在では大企業などで、単に営利活動のみならず、ボランティアや環境保全など広く社会貢献活動を担うことも、この『三方良し』として取り上げられています。
また、思考の枠を広げるためにも有効な考え方と言えます。NLP心理学では、『ポジションチェンジ』という手法の中で、『自分』『相手』『第三者』という3つの視点に立って(ポジションをチェンジして)、その人になり切ってアドバイスを行うというワークを活用したりします。
これは、現在の視点が一方硬直的にならないように、様々な立場で物事を捉えることで、より包括的な思考を可能にする点で、新たな気づきや、戦略を得たりできる点で効果的です。
マーケティングにおける三方良し
マーケティングも広く見ればビジネスモデル構築も含まれますので、この『三方良し』を意識することは大切なことです。
特に『お客さんの声』を活用した戦略ではこの『三方良し』の考え方は必須といっても良いでしょう。単に売っておしまい、ということではなく、既存のお客さんの満足度を高め続け、そのことを情報展開することで、第三者から見ても魅力のある商品・サービスとして訴求でき、新規顧客獲得につながります。
ここでは、単にサービス提供だけを考えるのではなく、第三者視点で『売り手と買い手の関係はどう映るか?』という点を意識し、サービス提供の中でどのように第三者への付加価値も持たせることができるのか?という視点が重要になるでしょう。
そうした視点で見ると、お客さんの声を面談やインタビューを通じて撮り、動画でPR資料として使わせてもらったり、アンケートをそのまま使わせてもらったりという発想に繋がってくるでしょう。
他にも、専門家を使ってレバレッジを利かすビジネスモデルであれば、単にお客さんだけでなく、関係する協力者の方も三方良しに含まれることでしょう。商品・サービスを販売してくれる『アフィリエーター』さん、自身が仲介として入る場合は、『サービス提供者』『営業代行者者』の方々等、様々な方にご協力いただき、ビジネスを回していくこととなります。
大きなビジネスモデルになればそれだけ、それぞれの立場になって、『良し』となるように、『三方良し』を企図していくことが大切になるでしょう。
まとめ_包括的な視点をもたらす三方良し
三方良しとは『買い手良し』『売り手良し』『世間良し』の3つの良しです。商売当事者のみならず、幅広く第三者の方にも『良し』となるビジネスを心がけることがその意味です。ビジネスのみならず、コーチングやカウンセリングでも『相手』『自分』『第三者』の目線で物事を捉え、包括的な思考・戦略を練るワークが活用されています。
昔から『お天道様に恥じないように生きろ!』なんて教訓をもらいましたが(古いでしょうか?笑)、昔の人はよく言ったもので、ビジネス、人間関係、ひいては人生においてもとても大切な考え方が『三方良し』だと思います。世間、第三者へも良い影響力を担える活動をしていきましょう(^_-)-☆
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