沈黙のWebマーケティングとセールスレター

マーケティング

先日、マーケティングの学びとして『沈黙のWebマーケティング』(著者:松尾茂起さん)を読みました。Webマーケティングという、触れたことのないひとには、専門的でとっつきにくい内容を、ハードボイルド小説調でストーリー仕立てにして、面白く、そして分かりやすく学ぶことができる名著です。おススメです!

その中でも、ためになった情報がありますので、シェアします。『セールスレター』について。

 

カタログとセールスレターの違い

Webを使ってビジネスをしていると、『セールスレター』という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?セールスレターとは、そのまま『商品を売るための手紙』と言うものです。

この『手紙』というところが、とても秀逸なメタファー(例え)だと思います。一昔前は、企業のWebサイトや販売のためのページは、カタログのようなもがほとんどでした。つまり、商品の画像やスペックの詳細がずらっとならんでいるカタログです。

カタログは不特定多数の人々に商品を買ってもらうための一覧ですが、そこに対して、セールスレターは、『一人のお客さんに向けての、商品を買ってもらうためのメッセージ』です。手紙の特徴を考えると、その差は明確です。

・手紙は特定の一人に対して書きます。

・手紙は感情を動かすものです。

・多くの手紙はストーリー(出来事など)を記述します

上記がセールスレターの持つ、カタログとの違いです。

例えば、上京した息子が、お母さんに向けて手紙を書くとしましょう。その手紙は『お母さんへ』という、特別な相手への手紙となるでしょう。

そして、その手紙の目的は、元気でやっていることを伝え、お母さんの『安心』という感情を起こすことでしょう。

そして、多くの場合、上京して経験したこと、大家さんが食事に招いてくれたりと、良くしてくれたこと、学校で楽しかったことや、失敗したことなど、ストーリーをその手紙の中で記述することでしょう。

こうした、要素がセールスで効果を発揮するので、『セールスレター』は有効な手法と言うことです。なぜ有効なのか?それは『人は感情で行動を決める』からです。実は論理でもたらされるのは『納得』止まり。じゃあ買おう、という行動に移るには、少なからず感情の満足や、心が動くことが必要と言うことです。

私も経験がありますが、思い返すと、物販のスクールに入る時、この『感情』で最終的な意思決定をしました。物販のスクールって、30万円以上が相場で、普通の会社員にはまぁまぁ高い支払いだと思います。そのため、情報を集めて、教えてくれる物販ノウハウの再現性の高さを確認したり、なぜうまくいくのか?という仕組みを確認したり、という論理的なことも確認しましたが、それはあくまで、『納得』にしかならず、これにしよう!という決断にはなりませんでした。

このスクールに入る!という決断は、実際にその講師の方にお会いして、『この人は信頼できる!』とか『この人から学びたい!』と思った時でした。そこには、その講師の方の、物販を身に着けるまでのストーリをお聞きしたり、スクール生の方々への想い、など、心動かされるものが、決め手であったことは言うまでもありません。

セールスレターの大きな特徴はこの感情を揺さぶる、ということでしょう。

 

セールスレターの書き方

セールスレターは、手紙と言うイメージで見ると、最後の最後にセールスの決め手として書く印象がありますが、実のところ、このセールスレターが事業の根幹を形作るということもあるコンセプチュアルなものになったりします。

私の尊敬する経営者である、菅智晃さんは、商品企画の際、『一番最初にこのセールスレターを書く』とおっしゃっています。それは、商品・サービスを形作る時、本当に大切なのは、お客さんの感情を揺さぶる豊かな未来を見せることであり、それこそがビジネスのコンセプトとなる重要な部分であるからだと思います。

実際、沈黙のWebマーケティングのストーリーでも、主人公が、本質的な部分で最も最初に取り組んだコンサルとしての仕事は、このセールスレターを書くことでした。それだけ、Webマーケティングの際に大切になる要素であるということです。

では、このセールスレター、どのように書くのが良いのでしょうか?ポイントは以下になります。

 

一人に向けて書く

必ず一人の相手に向けて書きます。『え?そうはいっても一人一人一通一通書くわけじゃないよね?』と言う声が聞こえそうですが、はい、その通りです。書くのは一つで大丈夫です。でも、必ず一人の人あての体裁とします。それはつまり、宛先を、みなさん、ではなく『あなた』という文章を書くということです。

以前、マーケティングではターゲットは絞るべきか?という記事でも説明しましたが、目の前の相手に向けて話をしない営業マンはいません。必ず、目の前のお客さん一人のために営業トークをするのが、営業マンの仕事です。語り掛ける相手は常に一人です。

 

ストーリーを書く

セールスレターにはストーリー要素を入れましょう。なぜ、この商品・サービスを世に出そうと思ったのか?そのストーリー。あるいは、商品・サービスに至るまでの、自身の失敗や苦労したストーリー。特に自分(自社)の弱みを強みに変えるようなストーリーは、お客さんの心を大きく揺さぶる要因となりえます。

例えば、『これまでダイエットに500万円お金をかけてきて、ずーっと失敗してきました。なんどもあきらめようと思いました。そんな根性もこらえ性もない私でも出来た、再現性の高いやり方がこの◎◎なんです!』とか。ダイエットの失敗、自身の根性のなさを逆にお客さんの共感と、信頼につなげることができます。

 

信頼性を高めるアイテムを加える

手紙の唯一の弱点は、『個人的なので信頼できるかわからない』と言うこと。ありていに言えば、『嘘でしょ?』と思われかねないということです。そこをしっかりとカバーするのが、信頼性を高める根拠情報です。

最も、分かりやすく効果的なのは、『お客さまの声』でしょう。このお客さまの声を数多く集めて、記載することでこれから買おうとしているお客さんにとって大きな信頼度となります。

また、お客さまの声と被って良いと思うのですが、実際に得られた効用についても記載できると安心につながります。◎◎kg痩せました!とか利益◎◎万円達成しました!とかも信頼性に繋がるでしょう。

 

まとめ_見込み顧客を顧客に変えるセールスレター

セールスレターは、商品を買ってもらうための手紙です。手紙なので、カタログと違って、『一人の相手に書きます』『相手の感情を動かします』『ストーリーを書きます』。そして、セールスレターの最も大きな特徴は、相手の『心を動かす』ことで、購買という行動を動かすことです。

セールスレターでは、『あなた』という一人の相手に向かって書くこと、相手の心を動かす『ストーリー』を描くこと、そして、『信頼性』を高める証拠を提示すること、が大切です。

セールスレターを描き、お客さんの心を動かすWebライティングを実現しましょう(^_-)-☆

 

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