子育てでもビジネスでも大切な『条件付き』の罠

マーケティング

先日、経営者のコミュニティで出会った経営者の方と心理セッションを行いました。行ったセッションというのは、経営者の方が抱えている心理的な悩みについて、対話を通じて解決していくものです。過去、私がなりわいとしていたNLP心理学を用いた、カウンセリングとか、コーチングみたいなものです。

今回、セッションで学んだポイントは、セッションの中で話題として挙がった、『子育て』における親としての姿勢について。このことが、実はビジネスでも大切なことだと感じたのでシェアします。

 

子育てで気を付けなければならない『条件付きの愛』

先日のセッションで経営者の方がおっしゃっていたのが、『自分の子供へのコミュニケーションが条件付きの愛になってないか心配』『褒める、と言うこと一つとっても、条件付きになってしまいそう』と言うことでした。

これは、自分もなるほど!と思いましたし、いくつか育児に関する書籍を読んでいても出てくる課題です。また、NLP心理学においても、条件付きの心理的な報酬については懸念するものとして扱っていました。

本質であり人間の真理だと思いますが、『条件を付けて愛してはいけない』ということです。なぜかというと、子どもをはじめ、相手はその条件を満たさなければ愛されないと思い込んでしまうからです。

例えば、親が、『子どもが良い子にしている時だけ』かわいがり、褒めたり、愛の言葉を伝えたらどうなるでしょう。これは非常に酷なことです。子どもにとっては良い子にしていないと愛してもらえないと学習してしまいますから。

そうすると、良い子にできないとき、自分は愛される価値のない存在だと思ってしまうでしょう。結果、自己肯定感は下がり、自分に自信が持てない子どもになってしまう可能性があります。

親が、子どもに『◎◎のようになってほしい』というのも同じことです。例えば、『将来良い大学に行って良い企業に勤めてほしい』というのは、子どもからすると、それができなければ愛されない(認められない)ということを言外に伝えられているようなものです。

褒めることも同じです。『良い成績をとって偉いね!』は、良い成績を取らないと認められないという伝わり方をする可能性があります。これなんかは私も意識していないと言ってしまいそうだと思いました。

大切なのは、無条件で愛することです。単純に『◎◎の事を愛しているよ』『◎◎が幸せになってくれたらうれしいよ』『◎◎が生まれてきてくれてうれしいよ』というような根本的な愛情表現でしょう。

また、褒める、認めるというメッセージを送る時も、『本人がやろうと思ったこと』や『本人が努力したこと』『本人が経験したプロセス』に対して、称賛を送るのが良いでしょう。例えば、『◎◎君が理科が好きで勉強しようとしたことは本当に素晴らしいことだね』とか。子どもが本人の自由意思で決めたことを褒めるのは、そのままの君が素晴らしい!というメッセージになりますよね。

 

変な条件付きはビジネスでもウィークポイントに

この条件付きということは、少し置き換えるとビジネスでもウィークポイントになりかねないと思います。それは、お客さんが条件付きのファンになってしまう可能性です。

それは、例えば『安いからあなたのお店から買う』とか『この機能があるからこの商品を買う』というようなケースです。絶対的に問題があるということではなく、扱う商品・サービスにもよりますし、事業規模が大きければ、価格や性能を強みにしていくのも一つです。Amazon物販なんかは安いことが優位性であることは間違いありません。

ただ、特に個人事業や小資本の企業で、自身の商品・サービスを販売している場合、価格や特定の機能で勝負をすると、大資本の企業が参入した場合、価格優位や機能優位が奪われ、市場を奪われる可能性があります。

これがまさに、条件付きのリスクです。では、ビジネスで無条件と言うのはどういうことか?『◎◎(あなた)さんだから買いたい』と言われることでしょう。それは、あなた自身の素の良さを認められると同時に、お客さんの目指す幸せに寄り添っている姿勢を買われるということです。

そのためには、お客さんとのコミュニケーションを通じて、自身の人間性を伝えることが大切ですし、加えてお客さんの本当に達成したい未来に寄り添っていくことが大切です。そのためのアプローチは以前記事に書いた、ニーズの先にあるニーズ(ウォンツ)を引き出すセールスを参照ください。

そして、これは反対にビジネスから子育てへのフィードバックでもあるのですが、子育ての場合も、親が子供に『こうあってほしい』という理想を示すのではなく、子どもが本当に進みたい未来や、本当に欲しいと思うことに対して、親が寄り添ってコミュニケーションを取ることが無条件の愛を示す方法なのではないでしょうか?

 

まとめ_無条件の愛とビジネスについて

子育てで、条件付きの愛はNGです。子どもの自己肯定感を傷つける結果になりかねません。大切なのは、無条件で愛すること。単純に『◎◎の事を愛しているよ』というような根本的な愛情表現がよいでしょう。また、褒める時は、『本人がやろうと思ったこと』に対して褒めるのが良いです。そのままの君が素晴らしい!というメッセージになります。

同じく、ビジネスにおいても、条件で『安いからあなたから買う』ではなく、『あなただから買う』という無条件に買われる存在になることが理想です。そのためには、自身(自社)の素の良さを磨くとともに、お客さんの本当に求めるウォンツに寄り添うコミュニケーションが大事でしょう。

子育てにより、私たちの本質的な課題が浮き彫りになることもあります。プライベートもビジネスも、子育て、というより『子に育てて頂いている』ということでも良いかもしれませんね(^_-)-☆

 

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