ラポールとリーディング(マーケティングとNLP心理学①)

マーケティング

NLP心理学とマーケティングについて解説します。

NLP心理学はコミュニケーション実践心理学ともいわれ、人のコミュニケーションの本質に迫る実践的手法です。そしてWebマーケティングもネットを介するとはいえ、突き詰めれば、人と人のコミュニケーションに違いはありません。すなわち、本質は同じことに突き当たります。

その中で、最も本質的な集客の構造が『ラポールとリーディング』だと私は思います。ここでは、今回はそんな心理学の『ラポールとリーディング』とマーケティングについてお話しします。

 

人は○○がないと動かない『ラポール』の重要性

私が経験した最もラポールを考えさせられた経験についてお話しします。未だ20代だったころ、会社の喫煙室で先輩とだべってました。そのうち仕事に話で、あーでもない、こーでもないという議論になりました。そこに入り込んできたのが、別部門のおじさん。『そんなの簡単だよ!エクセルでマクロ組めば一発だよ』と言いました。さて、私と先輩はその意見を受け入れることができたでしょうか?ちなみにそのおじさんのアドバイスは冷静に考えると正確です。

答えは予想通りかもしれませんが、『全く受け入れられなかった』です。それどころか、そのおじさんに対して反感が湧き上がるのも感じました。(未だ若かったのもありますが、謙虚さが足りませんでしたね(笑))

このことは、当たり前に思えるかもしれませんが、冷静に考えるとちょっと面白いんですね。だって、そのおじさんは『正しいことを言ってアドバイスをしてくれている』んです。だけど私と先輩は『なんだあのおっさん(怒)』って受け入れる余地もなかったんです。

では、何があれば私たちはそのおじさんの言うことを受け入れることができたか?それがラポール、すなわち『信頼関係』です。人は信頼のない相手からアドバイスを受けても全く受け入れられないし、そのことを行動に移したりはしない、ということです。

人は実のところ感情の生き物です。どれだけ正論を並べたてられても、その人を心から信用していないと受け入れられません。では、どうやったら、信頼関係『ラポール』は構築できるのでしょうか?

NLP心理学では、このラポール構築に最も有効な方法として『ペーシング』をあげています。ペーシングとは簡単にいうと、相手とペースを合わせるということです。なぜなら人は『同じ』ということに安心と信頼を感じる性質があるからです。生物的な本能と言ってもよいかもしれません。

例えば、相手の話すスピードと同じようなスピードで話すこともそうですし、相手と同じ姿勢をとることもそうです。もっと、深いペーシングとしては、相手の感情にペースを合わせる、部長に詰められて落ち込んでいる先輩に『いや○○部長の言ってることは正しいですけど、あのいい方はきついですよね、自分なら一日へこんでますよ』とか言うのもそうです。

また、相手の価値観にペースを合わせる、例えば、『阪神が好きなんですね!実は私も根っからの阪神ファンで』とかもそうです。さらに強力なのは、相手の信念にペースを合わせる、『部長のお考えの通り、大切なのは部下に考えさせることだと私も思います』とかですね。

※サラリーマントークばかりで恐縮です(笑)

一方、実のところこうしたコミュニケーションって、相手と仲良くなりたいときとか、その人が好きだったら、自然にやってないでしょうか?人間は好きな人同士で集まると、『同じ』ペースになろうとする習慣があります。なので本当に大切なのは相手を好きになることでしょう。

でも、例えばこうした本当は誰でも自然にやっていることが、ビジネスになると簡単にできなかったりします。前述のおじさんのように、自分をよく見せつけようとするあまり、急にアドバイスに走ってしまったり。そこで思い出すべきは、このペーシングとラポールという仕組みだと私は思います。

例えば、優秀な営業マンの方はこうした、ラポールの構築がメチャメチャ上手いですね。私も多くの営業マンの方とお会いしましたが、ちょっと世間話をしているうちに、いつの間にやら旧来の親友かのような空気感が生まれます。これは、完全に私の深い部分(信念や価値観なども含め)ペースを合わせられた結果だと思います。

そんな、営業の達人にその秘訣を聞いたことがあります。その時言われたのが、先ほど書いたことと同じ『とにかくあいてを好きになること』です。曰く『松崎君さぁ、好きな女の子いるとき、いきなり告る?告んないよね?共通の趣味の話したり、何か困りごと助けてあげたりして、仲良くなっていってから告るでしょ?営業ってそれと同じだよ』と。

結構感動しました。『すげぇ!』と。NLP心理学で『ラポール』学んでたのに(笑)

 

Webマーケティングでの『ラポール』構築

さて、なかなか前置きが長くなりましたが、じゃあその『ラポール=信頼関係』構築、Webマーケティングだとどう使うのでしょうか?Web情報発信だと、どうしてもメッセージは一方的になりがちなので、実際に会う営業なんかに比べると、相手との会話やコミュニケーションというヒントやきっかけを得にくいですよね?だから難しく感じます。

しかし、冒頭で書きましたが、Webマーケティングも人間と人間のコミュニケーションであることに違いはありません。ツールとしてインターネットを使っているだけで、そこにはリアルに人と人が存在しています。だからやることは同じなんです。

ここでは、一方向の情報発信でラポールを構築する3つの代表的なポイントについてお話しします。

1.ペルソナを決めて記事を書く

ターゲットを絞ることと近いことなのですが、記事を書くときやYouTubeなどの情報発信をするときに、相手のペルソナをある程度決めて書いた方が良いです。というより、ペルソナを決めるべき、ということはいろいろな本やネットにも書かれているマーケティングの基本のようなものですが、結局その理由は先ほどまでお伝えしていることなんです。つまり、ターゲットとペースを合わせて、価値観等を合わせて記事を書いていくといことなんですね。

 

2.趣味や共通の属性で繋がる

共通の趣味はなかなか強力なペーシングになりますね。メチャメチャ単純なことですが、例えば、犬を飼っているお客さんだったら、愛犬家のコーチにビジネスを教えてもらう方が心理的なハードルが低くなりますよね。愛犬家であることとビジネスの腕は関係ないのに(笑)だから趣味はなんかもしっかり伝えた方が良かったりするわけです。

同じ理由で、職業も強力なペーシングです。例えば人事部門で働いている男性だったら、『人事マンが教えるネット物販で10万円儲ける方法』とかに惹かれやすいかもしれません。そうした共通要素を活用していくことは簡単にラポールを築くことに繋がります。

 

3.困りごとにフォーカスする

相手の困りごとにフォーカスすることは、メチャメチャ強力なペーシングになりますね。喫煙者同士が仲が良いのも同じです。同じ穴の貉に人は弱いです。同じ悩みを共有するだけで半端ない安心感を創ることができます。

そしてこの、困りごとにフォーカスするのは、そこからその解決までリードしていくと、さらに強い信頼関係の構築に繋がっていきます。ペーシングだけでなく、そこから理想の未来まで描いてくれるのですから。

ここまでは、一方向の情報発信におけるラポール構築の例を挙げましたが、ネットビジネスでもここからさらに双方向のコミュニケーション(メールのやり取りや、Zoom面談、懇親会、セミナー等)になったらさらに簡単にラポールを気付けますよね。それはリアルコミュニケーションのペーシングと全く同じですから。やはり質問ができたり、その人個人のことが知れるのは本当に信頼関係構築のために財産になりますね!

 

『ネットマーケティングのラポール構築』のまとめ

結局のところ、ネットマーケティングであれ、会社や家族とのコミュニケーションであれ、人を動かすには『ラポール=信頼関係』の構築が最重要であることは一緒です。そのためには、ペーシングで相手と『同じ』という状態を作っていくことが効果的です。中でも感情、価値観、信念等、相手の深い部分で『同じ』を示せると強力になっていくでしょう。

そして何より大切なのは、単にペーシングというノウハウを使うこと以上に、その土台となる『相手を好き!』と思う気持ちでしょう。実のところこれがしっかりと築けていれば、ノウハウは勝手についてくるといっても過言ではありません。

ただ、いつでも実力を発揮するためには、時に『信頼関係構築』を意図的に取り組むことで、安定的なパフォーマンス発揮となるのも事実です。

今回、人を動かす肝、『ラポール』についてお話ししました。次回はその次のステップ『リーディング』についてお話をします。お楽しみに(^_-)-☆

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