マーケティング視点でみる選挙戦略

先日、マーチャントクラブの勉強会で、埼玉県三郷市の市議会議員であり、デザイナーとして活躍したのち、起業して事業経営している『柳瀬勝彦』さんの講義を拝聴しました!

成功する事業家の方の人生ストーリーに触れることができ、本当に勉強になりました。柳瀬さんは、デザイナー、経営者、ボランティア、市議会議員と本当にマルチに活躍されている方で、勉強会での話には様々な学びがありました。

今回は、サラリーマン→経営者→市議会議員という稀有な経験をされている柳瀬さんがこぼれ話として、教えてくれた選挙についての話を、マーケティングの視点でご紹介したいと思います。マーケティングは様々な物事に役立つツールだと実感できました!

 

一般的な選挙活動とは?

私はあまり選挙に詳しくないのですが、今回柳瀬さんから教えていただいたことで、一般的な選挙は、活動期間は数日間。その数日間で、候補者は選挙カーを手配して、ウグイス嬢を手配して、朝から晩まで、選挙区域の各地を選挙カーで走り回って、『◎◎を宜しくお願いします』とか、駅前で街頭演説をしてPRをします。

上記、私の認識している一般的な選挙活動と合致してました。ほか、改めてなるほど、と思ったのは、選挙活動期間以外で、選挙に関して誰かに支援を求めたり(票入れてね!とか)、ウグイス嬢への報酬も国で定められている水準を超えて支払うと、選挙法違反となってしまいます。

大事なのは、決められた選挙活動期間の中で、しっかりと有権者にPRをしていくことだと思います。その中で、ただやみくもに選挙区域を走り回って、声かけ、演説をするだけでは、少し工夫が無いなぁと感じませんか?

 

柳瀬さん流の選挙活動

柳瀬さんが行った選挙活動の凄いところは、ちゃんとビジネスにおけるマーケティングの基本を守っているということです。

例えば、マーケティング手法の基本的で大切な3Mというフレーム。

1.マーケット(ターゲットを決めているか?)

2.メディア(媒体=情報発信場所を決めているか?)

3.メッセージ(伝えるべきことを伝えているか?)

上記について、一般的な選挙活動ではあまり明確に定めて活動をしていないように、私は感じます。(もちろん、上記も意識して活動されている方もいるかもしれませんので、絶対ではありません)

柳瀬さんはこのあたりがしっかりと決められてます。

 

1.マーケット→地域の奥さんをターゲットを絞っている

柳瀬さんは、お子様が4人いるということもあり、小学校のPTA会長をし、更には地域青少年育成会の会長を務めています。さらには、地域のボランティアに参加してお祭りの司会を務めていたり、親向けの学習講座を展開して、講演活動をしたりと、地域に根差した活動の中で、親御さん向けの認知度を構築してきています。

なので、地域の親御さん、特に『奥さん』向けにターゲットを絞ることで、その人たちにとっての『特別な存在』として認知されやすくなります。

 

2.メディア→主に住宅街・団地で広報活動

インターネットであれば、ブログやFACEBOOK、Twitter等、様々なメディアがある中でどのメディアを活用するか?というポイントになりますが、リアルの選挙では、どこで広報活動をするか?と言うことが、このメディアに当てはまるでしょう。

柳瀬さんは、ここもがっつり絞って、ターゲットにアプローチしやすい場所であいさつ活動、公演活動を行っています。それが、住宅街や団地など、親御さんが住んでいるところです。駅前や大通り、人で賑わうところではありません。住宅街とか団地です。

これは、一見して母数が減るように考えられますが、マーケティングの考え方では、政党などの後ろ盾がなく、無所属新人という基本的には弱者としての戦い方をするなら、限られた資源を1点集中することが効果的だと思います(ランチェスター戦略)。柳瀬さんの戦略は或る意味王道と言えます。

一般的な選挙では、駅前や大通りなど、人の集まるところで活動をします。特に会社帰りのビジネスパーソン狙いで、夕方の駅前は選挙活動では必須と言われるぐらい、伝統的に挨拶や演説が行われていますが、柳瀬さんは『いや、ターゲットちがうし』ということで、全くやらなかったそうです(笑)

また、しかも時間帯も昼間とか、ターゲットとしている奥さんが活動している時間帯を中心にし、挨拶・演説で使うスピーカーもポータブルタイプで、音声を調節できるものを使い、住宅街や団地でもうるさくない、ちょうどいい声の大きさで活動するという徹底ぶり。正直、選挙のスピーカー、うるさすぎる!と思ったりしたことありませんか?(笑)

また、選挙費用についても、上記のスタイルでしたので、他候補と比べると圧倒的なコストパフォーマンスで結果を得ることができたということです。(選挙カー無し、ウグイス嬢無し)

 

3.メッセージ→政治をデザインする!

そして、柳瀬さんが伝えるメッセージも『政治をデザインする』という本当にシンプルながら強力なもの。これから政治を形作ってくれるという期待はもちろん、柳瀬さんの強みであるデザイナーという経験・実績もPRになります。

また、これまでのPTA会長や地域活動でユニークポイントとなった、カーリーヘアーも、強力な印象として有権者の方の目に焼き付いたのではないでしょうか?

結果、柳瀬さんは無所属新人で24名中、5位という高順位で当選を果たしました!

 

まとめ_選挙でも通用するマーケティング戦略

柳瀬さんの凄さは、選挙とはいえこうしたビジネスで共通するような、具体的な戦略を立てて実行しているという点です。とかく伝統が重んじられる選挙のような活動の中で、前例にとらわれない取り組みをするのは、本来ものすごい勇気がいることかと思います。実際に柳瀬さんもその型破りなスタイルから、選挙の先輩から苦言を呈されることもあったそうです。

しかし、こうしたマーケティングはビジネスに限らず、戦略において正道に他ならない原則です。特に無所属新人といった圧倒的弱者というポジションから勝利を勝ち取るには、ただやみくもに走り回って、挨拶・演説をする、というやり方では、到底無理だったのではないでしょうか?

常に結果を出す人は、前例に埋もれず、常に正しいと考える戦略を選択する人です。しっかりと戦略を学び、ビジネスはもちろん、人生の様々なことに応用実践し、豊かな結果を創造していきましょう(^_-)-☆